電線を巻くための紙リール

紙リールのメリット

電線にはさまざまな種類があります。太い送電線は、重量がとても重く、電線を巻くリールに強度を要するため、木製の大きなリールが用いられます。IVケーブルなどの細い電線を巻く場合には、プラスチックリールが用いられることが多いです。このリールは手で持てるぐらいの大きさですが、電線は金属の塊なので、電線が巻かれたリールはとても重いです。

電線を巻くための紙リール

細い電線を巻くリールには、紙リールも存在します。「紙リールで強度は大丈夫?」と思われたかもしれませんが、紙リールは作り方によって強度が出せるので、変形の心配はありません。

電線を使い切ったら、リールは必要なくなります。木やプラスチックリールであれば、処分するためにコストがかかりますし、使いまわしをするとしても、リールを電線工場に送り返すためのコストがかかってしまいます。

紙リールであれば、そのような処分にあまりコストがかかりません。容易に分解して焼却処分に回せます。

そのため、細い電線を巻くためのリールには、ワンウエイ使用に適した紙リールが用いられるようになりました。

当社で製造している電線用の紙リールの直径は、φ200mm~φ400mm程度の大きさが多いです。

紙リールの強度

当社の製造する電線用の紙リールは、約30kgfの引っ張り強度があります。

また、紙リールには軸の横にフランジが取り付けられています。フランジは、リールに巻かれた電線が横に広がらないように固定してくれるものです。このフランジにも、ある程度の強度が求められます。

紙リールのフランジ設計図

当社が製造する電線用の紙リールでは、ダンボール3枚重ねのフランジを用いています。図のような形状に、ダンボールをプレス機で打ち抜き、接続部を折り曲げることで、3枚重ね合わせになります。3枚を貼り合わせるのに糊を用いますが、それによっても強度が出ます。

図では、3枚が一直線ではなく、L字に折られるようになっています。これは、ダンボールの目方向が直角方向に接着されるようにするためです。この目方向の重ね合わせの工夫でも、フランジの強度を高めています。

さらには、フランジと軸を接続するところに、軸の内径と同じ直径のメンコを入れます。これによっても、強度を高めます。

電線用紙リールの製造

当社にて、電線用紙リールの製造をご依頼の場合には、次の手順で製造をしていきます。

  1. 紙リールの図面を作る。
  2. サンプル品を製造。
  3. 問題なければフランジを打ちぬく型を作って量産

紙管の製造には、過去に製造してきた鉄芯があるため、たいていの内径寸法には対応可能です。フランジを打ち抜くための型は、オーダーメイドになります。フランジにメーカー名や型番などの印刷ができます。

電線を巻くための紙リールなら、立山製紙にお任せください。