紙管の製造方法

紙管の種類には、スパイラル紙管と平巻紙管があります。それぞれ、製造方法が異なり、専用の機械を用いて製造します。それぞれの製造方法をご紹介します。

スパイラル紙管の製造方法

1.原紙の調達

原紙の調達

紙管の原材料は、読んで字のごとく「紙」です。紙と言っても、写真のように、大きなロールがトラックで搬入されてきます。それを回転ロールクランプが取り付けられたフォークリフトで、工場内に運び込みます。

2.リボン原紙の製造

リボン原紙の製造

この大きな紙のロールをスリットして、細い帯状の紙をいくつも用意します。この紙でスパイラル紙管を製造するので、「リボン原紙」と呼んでいます。ロールを切断していくつものリボン原紙を製造する機械のことを、「ボビンカッター」と言います。

3.糊付け

糊付け

リボン原紙を巻いて紙管を製造していきますが、その前に、リボン原紙に糊付けを行います。糊の調合は、当社では工場内で行っています。糊付けされた原紙を何重にも巻き付けることで、紙管に強度が出ます。

4.製管

製管

スパイラル紙管製造機にマンドレル(鉄芯)を取り付けます。マンドレル(鉄芯)の直径が、スパイラル紙管の内径になります。

マンドレル(鉄芯)の表面に糊付けされたリボン原紙を幾重にも巻き付け、ベルトで回転させていきます。すると、マンドレル(鉄芯)の表面をすべるようにして、スパイラル紙管が連続して製造されます。

このときに、内側のリボン原紙には、糊を付けていないものを巻き付けます。市販のセロファンテープ用の紙管を製造する場合、内側のリボン原紙には、お客様ご指定のロゴなどが印刷されたものを使用する場合があります。

5.しわ伸ばし

しわ伸ばし

製造されたばかりのスパイラル紙管は、スパイラル紙管の表面がガスの炎に包まれるようにして、その熱で出来立てのスパイラル紙管をなじませます。

6.切断

切断

製造機械で作られたスパイラル紙管は、いくらでも長いものが出てきます。それを適切な長さに切断します。まずは、ざっくりとした長さに丸鋸で切断します。丸鋸で切断された切断面は荒っぽいので、その後に、指定された長さにカッターで切断します。

7.品質検査

品質検査

出来上がったスパイラル紙管は、品質検査を行います。すべてのスパイラル紙管は、内側や外側に傷や汚れがないかをチェックします。また、抜き取り検査で、紙管の接着具合いを検査します。

写真では、内側に光が差し込んでいますが、何か突起があれば、そこが影になって異常を発見することができます。

8.乾燥

乾燥

次に、糊を完全に乾かすために、一定の時間、保管しておきます。乾燥紙管の場合は、乾燥機に入れて強制乾燥させます。糊が乾燥してくると、スパイラル紙管の強度はさらに高まります。これでスパイラル紙管は出来上がりです。

9.出荷

出荷

出来上がったスパイラル紙管は、目視検査を経て梱包され、トラックでお客様の元に運ばれていきます。

平巻紙管の製造方法

1.原紙の調達

原紙の調達は、スパイラル紙管と同様です。スパイラル紙管では、原紙をスリッターで切断して使用しましたが、平巻紙管は原紙をそのまま使用します。長さは、平巻紙管が製造された後に切断して調整します。

2.機械の準備

機械の準備

平巻紙管製造機に原紙をセットし、糊を充填します。また、原紙を巻き取って平巻紙管にするためのマンドレル(鉄芯)を取り付けます。マンドレル(鉄芯)の直径が、平巻紙管の内径になります。

糊の調合は、当社では工場内で行っています。糊付けされた原紙を何重にも巻き付けることで、紙管に強度が出ます。

3.製管

製管

原紙が機械に送り込まれ、中で糊付けされ、マンドレル(鉄芯)に巻き付けていきます。指定の厚みが出るまでマンドレル(鉄芯)を回転させます。指定の厚さに到達したら、原紙を切断しマンドレル(鉄芯)から抜き取ったら、平巻紙管の原型が出来上がります。

4.乾燥

乾燥

糊を完全に乾かすために、一定の時間、保管しておきます。糊が乾燥してくると、平巻紙管の強度はさらに高まります。

5.品質検査

乾燥した平巻紙管は、品質検査を行います。主な検査は、平巻紙管の表面や、両側の幾重にも紙がまかれているところに浮きがないかを見ます。

6.切断・加工

切断・加工

切断は、専用の丸鋸、もしくは紙管カッターにて切断します。丸鋸で切断されたものは、切断面が荒いので、グラインダーで面取りをして仕上げるものもあります。

7.出荷

出荷

出来上がった平巻紙管は、目視検査を経て梱包され、トラックでお客様の元に運ばれていきます。