紙管の収縮を嫌う製品を巻くのに最適乾燥紙管

乾燥紙管

乾燥紙管は、紙管の収縮を嫌う製品に使用されます。

乾燥紙管は、紙管を製造した後に乾燥機に8時間以上入れて強制乾燥させます。一般的な紙管が含水率7~9%あるのに対し、乾燥紙管では含水率を5%以下に下げます。乾燥が終えたら切断し、ビニール袋に入れて保存されます。

ビニール袋から取り出すと、自然に若干水分を含むものの、ドライフルーツと同様に水分を含んでも寸法が元に戻ることはなく、寸法精度が±0.1%以内に抑えられます。

紙管を乾燥させると、紙管の強度が10%程度上がり、寸法精度が±0.1%以内に抑えられ、空気中の水分を自然に含んでも変形しにくくなるため、通常より高い寸法精度が要求される製品に使用されます。

例えば、金属薄板を巻いたものを日本国内で製造し、それを海外に海路で輸出したとします。運搬船が赤道に到達すると、気温が高いために通常の紙管では水分が飛んで紙管が抜けやすくなります。それを防ぐために乾燥紙管が用いられます。

さらに強度を高めたいというご要望があれば、一般紙(B~C級原紙)でなく硬質紙(A級原紙)を用いて乾燥紙管を製造することもあります。

乾燥紙管の
材質・サイズなど

材質・原紙 一般原紙(B~C級原紙)、ご要望があれば硬質紙(A級原紙)を使用
用途 紙管の収縮を嫌う製品など
内径 基本は内径3インチ(76.2mm)、相模工場での規格サイズでは21mm~300mmです。オーダーにより21mm~500mmまで対応いたします。それ以外のサイズが必要な場合はお問い合わせください。
厚さ 内径によって製造できる厚さが異なりますが、1.5mm~20mmで、0.5mm単位で製造いたします。それ以上の厚さが必要な場合はご相談ください。
長さ 内径によって製造できる長さが異なりますが、25mm~5,900mmまで、1mm単位で乾燥後に切断いたします。それ以上の長さの場合は、鋸刃での切断になり長さ精度が若干悪くなります。輸送できる長さまで対応いたします。
巻き方 スパイラル巻き、平巻き
強度 一般紙では通常の紙管よりも10%程度強度が高いです。必要であれば、サンプルを製造して計測いたします。
表面の色 茶色、白色
表面に茶色や白色の上質紙の化粧紙を巻きます。その他の色をお求めの場合はご相談ください。
端面処理 シール貼付、アクリル樹脂コーティングからお選びいただけます。
販売単位 合計の長さが100m以上のご注文に対応いたします。(例、1mの紙管であれば100本以上)それ以下の長さの場合は、対応可能ですが単価が高くなります。
廃棄方法 材質が紙ですので、再生紙もしくは可燃ごみとして廃棄が可能です。

乾燥紙管の規格一覧
(相模工場製造分)

規格寸法

相模工場で製造されている乾燥紙管の規格品の一部です。他にも規格品がございますので、お気軽にご相談ください。

内径 [mm]厚さ [mm]
0.5mm単位
長さ [mm]
1mm単位
21.01.5~5.025~1,500
25.4
(1インチ)
25.6
25.7
25.8
26.0
28.0
30.0
31.8
33.4
35.0
36.0
38.0
40.0
45.0
50.0
51.01.5~10.0
55.01.5~5.0
58.01.5~10.0
60.0
70.01.5~12.025~1,800
70.2
75.125~2,200
76.2
(3インチ)
76.3
76.51.5~20.025~5,900
77.025~1,800
77.4
79.025~5,900
80.0
90.525~1,800
95.0粗切り
97.0
内径 [mm]厚さ [mm]
0.5mm単位
長さ [mm]
1mm単位
98.01.5~10.025~1,500
1001.5~20.025~5,900
1021.5~10.025~1,500
1101.5~20.025~1,800
113
115
120
125
127
(5インチ)
25~1,500
14025~1,800
150
152
153
155
160
170
178
184
200
203
215
221
2301.5~10.025~1,300
241
250
25525~2,500
26025~1,300
26510.0粗切り
2801.5~20.025~1,300
300

外径 = 内径 + 厚さ × 2

工場別、紙管の規格一覧

工場名各工場の特徴紙管規格PDFダウンロード
茨城工場直径600φまでの大口径の紙管が製造できます。 茨城工場製造の紙管規格サイズ
相模工場直径300φまでの中口径・小口径の紙管製造を得意としています。 相模工場製造の紙管規格サイズ
静岡工場長さ6,060mmといった長い紙管の製造ができます。 静岡工場製造の紙管規格サイズ

特筆事項

寸法精度について

長さの寸法精度は、±0.1%以内です。紙管は水分を含むと膨張します。そのため、長さや内径、厚さは、紙管の含水率によって異なることを、あらかじめご了承ください。

輸送形態について

乾燥紙管は自然に水分を吸湿することを防ぐために、乾燥・切断後は数本毎にビニール袋に入れてお送りいたします。ビニール袋開封後は、水分の吸湿にご注意ください。

端面処理について

乾燥紙管の端面(両端)には、紙粉防止処理が可能で、乾燥紙管では必要に応じて両端から紙粉が出ないように処理することがあります。乾燥紙管の両端にシールを貼るか、アクリル樹脂を端面に塗ってコーティングするかの紙粉防止処理に対応します。

その他のご要望がございましたら、お気軽にご相談ください。

ご注文の流れ

  1. まずは、お電話ください

    お電話で、お求めの紙管の種類や用途、サイズ、数量などをお聞かせください。営業担当者が必要に応じて、お客様の元へ伺います。用途、サイズ、本数、納入場所、ご予算、納期等の打ち合わせをいたします。

  2. 見積書提出

    お打ち合わせ後にお見積書を出させていただきます。

  3. ご発注

    お見積り金額や納期、その他条件等にご納得いただけましたら、ご発注ください。すぐさま乾燥紙管製造に取り掛かります。

  4. 製造開始

    製造された乾燥紙管を抜取で耐圧検査(破壊検査)します。必要に応じて端面処理をいたします。

  5. 納品

    当社トラック、もしくは宅配便でお届けします。基本的にご発注より11日以内のお届けとなります。

よくあるご質問

どれぐらいの長さまで製造できますか?

ご要望の内径により製造できる長さが異なりますが、25mm~5,900mmまで、1mm単位で切断できます。規格サイズであれば、硬質紙管専用カッターで切断しますので、断面がきれいで寸法精度が高くなります。

オーダーメイドでは、運搬できる長さまで対応いたします。規格を超える長さの場合は、鋸刃の機械で切断しますので、断面が荒くなります。あらかじめご了承ください。

インチサイズの紙管はありますか?

ございます。例えば、2インチは50.8mmですが、若干大きいの51.0mmをご用意しています。同様に、3インチは76.2mm、76.3mm、76.5mm、76.7mmを、6インチは153.0mmをご用意しています。

規格寸法
1インチに対応25.4mm、25.6mm、25.7mm、25.8mm
2インチに対応51.0mm
3インチに対応76.2mm、76.3mm、76.5mm、76.7mm
4インチに対応102.0mm
5インチに対応127.0mm
6インチに対応153.0mm
7インチに対応178.0mm
8インチに対応203.0mm
9インチに対応230.0mm
10インチに対応255.0mm
11インチに対応280.0mm
外径重視で作ってもらえますか?

外径は、内径+厚さ×2ですので、内径と厚みで調整して製作いたします。

耐圧強度はどれぐらいですか?

一般的な紙管よりも10%程度強度が高いです。必要に応じてサンプルを製造し耐圧強度を測定いたします。

乾燥紙管の寸法精度はどれぐらいですか?

±0.1%以下に抑えられます。

乾燥紙管は価格が高いのでしょうか?

原紙の価格は一般的な紙管と同じB級原紙やC級原紙を用いています。乾燥をさせて手間がかかったり、ビニール袋の梱包が必要になったりするため、その分だけ価格が高くなります。乾燥紙管の価格が気になる場合は、お気軽にご相談ください。

乾燥紙管の製造では、何時間程度乾燥させますか?

厚さや長さにより異なりますが、一般的に8時間以上乾燥させ、含水率を5%以下にします。

対応できる色は何ですか?

茶色と白色の2種類に対応しています。乾燥紙管の表面に上質紙を巻きます。その他の色をお求めの場合はご相談ください。

小ロットでも対応してもらえますか?

小ロットでも対応可能です。基本的に合計の長さが100mからの製造とさせていただいておりますが、それ以下での対応もしております。その場合は、合計100m以上のご注文よりも単価が高くなることをご了承ください。

初めてのお取引で小ロットのお客様には、代金引換でのお支払いをお願いしております。

保存上の注意点はありますか?

乾燥紙管は水分を吸い込みにくいとはいえ、空気中の水分を自然に含むことで、若干の戻りがある可能性があります。ビニール袋を開封した後は、多湿な場所での保存は避けてください。

納品はどこにでも運んでもらえますか?

日本国内であれば、基本的にどこにでも配送いたします。配送方法は、当社所有のトラックもしくは宅配便の利用となります。

  • 当社所有のトラックでの輸送
    当社所有のトラックでの輸送の様子。パレットに紙管を乗せて出荷します。
  • 宅配便での輸送
    宅配便での発送準備の様子。紙管を保護紙に巻いて出荷します。
納品場所を分けて配送してもらえますか?

対応可能です。

最短どれぐらいの期間で製造してもらえますか?

基本的にご注文より10日程度でお届けになります。工場の生産状況によりますが、納品まで1週間以内でお届けすることも可能です。

出来上がった乾燥紙管を工場まで取りに行ってもいいですか?

ご対応いたします。納期を急いでおられる方や工場のご近所の方など、工場まで取りに来られる方もいらっしゃいます。乾燥紙管の出来上がり日をお知らせいたしますので、そのタイミングに合わせてお越しください。

工場の見学をしたいのですが。

ぜひお越しください。まずは、お電話にて工場見学のご予約をください。

ごあいさつ

当社は、日本国内でも数少ない一貫メーカーで製紙・紙管を専門とする製造・販売会社です。長年培った経験と技術で、お客様からいただくさまざまな乾燥紙管のご要望に対応いたします。

また、高機能フィルムなどに使用する、表面に線が出ないようなつなぎ目のないシームレス紙管もあります。

当社では、お客様へのヒアリングを大切にしています。お客様の用途によっては、乾燥でなくても良い場合があり、コスト削減が可能となる場合もあります。まずは、お電話にてどのような用途に使用する乾燥紙管が必要なのかをお聞かせください。

紙管のリサイクル

当社工場は、ISO9001に基づいて5S改善を行っています。乾燥紙管の品質をさらに高めるべく、日々精進しています。また、当社ではゼロエミッションやエコにも積極的に取り組み、使い終わった乾燥紙管を捨てずにリサイクルをしています。そして、紙管のリサイクルは当社本社工場内で行っています。

乾燥紙管のことなら、立山製紙にぜひお任せください。