平巻紙管とは
平巻紙管とは
平巻紙管とは、紙を何重にも丸めた紙管のことです。スパイラル紙管では、紙管に斜めの筋が入りますが、平巻紙管は縦1本線の段差の筋が入ります。
紙管に製品を巻く場合に、紙管の筋によって製品が凹んでしまうことがあるため、平巻紙管の段差を削り取る場合もあります。
平巻紙管の種類
平巻紙管の種類には、紙の巻き方で2種類あります。紙の繊維の流れに沿って巻くものを「横巻」といいます。繊維に対して垂直に巻くのを「縦巻」といいます。
長さやしなりを要求する場合は横巻
横巻は、強度が弱いのですがしなやかさがあるので、反物を巻くなどの紡績用の巻き芯として用いられることが多いです。紡績用の直径は3インチ以下と小さめです。
強度を要求する場合は縦巻
縦巻は耐圧強度が高いため、鉄やアルミ、ステンレスなどのシート状の金属類を巻くための巻き芯として用いられることが多いです。金属用の直径は、体が入るぐらいの大きさのものが製造されます。
平巻紙管の製造方法
平巻紙管の製造方法は、専用の機械を用いて行われます。写真は平巻紙管製造機です。
写真の奥側に巨大な紙管の原紙ロールをセットします。機械の中に糊が充填され、そこを通過させた紙をマンドレル(鉄芯)で巻き取っていきます。紙管の厚みが設定値になったら、巻き取りが自動的に止まり、紙を切断して平巻紙管に仕上げます。
平巻紙管の厚さは、原紙を巻く回数によります。巻く回数を多くすると、肉厚の平巻紙管ができます。
仕上がった紙管は、右側に押し出されて、平巻紙管の出来上がりです。この状態ではまだ糊が乾いていないので、一定時間置いて自然乾燥されます。
平巻紙管は分厚くして強度を出せる
スパイラル紙管のようにテープ状の原紙を用いないので、原紙を巻く回数で厚さが決まります。そのため、スパイラル紙管と比較して、分厚い紙管を容易に製造することができます。分厚い紙管は強度が高いため、金属薄膜を巻いたりするのに利用されます。
当社では、3mm~30mmの範囲で、1mm単位で製造しています。
平巻紙管の長さ(幅)
平巻紙管の長さ(幅)は、原紙の幅で決まります。大きな平巻紙管を製造したい場合は、大きなサイズの原紙を用います。
短いサイズの平巻紙管は、長いサイズのものを製造しておいて、紙管切断機で切断して製作します。
当社では、長さ50mm以上より、1mm単位で切断いたします。
平巻紙管の切断
平巻紙管をご要望の幅に切断するときには、紙管のサイズに応じた切断機を用います。写真は大型の平巻紙管を切断するときに用いる切断機です。
手前から紙管を挿入し、手前側にあるフックに引っかけます。上側にある丸鋸で紙管を切断しながら、フックが平巻紙管を順次奥へと導きます。切断する長さは調整することができます。
リング状の平巻紙管
写真は、切断機で切断されたリンク状の平巻紙管です。紙管切断機から出てきた状態では、紙管の角にバリが付いていますが、それをサンダーで1つずつ面取りをします。
こちらの写真は、サンダーでバリが取り除かれた平巻紙管です。このリング状の平巻紙管は、金属の帯を巻き付けるのに利用されています。
平巻紙管は、お客様にてリング状に切断して利用される場合もありますが、このように当社でリング状に加工してから出荷することもあります。
平巻紙管の製品については、こちらのページをご覧ください。