金属の板を巻くための紙管

紙管にかかるコストは、紙管本体価格と輸送コスト

金属の板を巻くために、紙の筒を用いているということは、業界を知らない方にとっては、驚きのことと思います。金属の板と言っても、数mm程度の厚さの板です。それでも手で曲げることは容易ではありません。この板は、さらに圧延されて、自動車などの部品になっていきます。

さて、金属の板を巻くと、との巻き締まりによって、紙管には相当な圧力がかかります。紙管の材質は紙ですので、圧力がかかって変形してしまうと考えることでしょう。

ところが、そのようなことは起きません。実は、紙管は製造方法によっては、とても強度が出せます。

強度を出すための紙管の製造方法

平巻紙管の縦巻と横巻

紙管には製造方法には、スパイラル紙管と平巻紙管があります。スパイラス紙管とは、帯状の原紙を斜めに巻いて製造された紙管です。平巻紙管とは、大きな紙をそのまま丸めて製造された紙管です。

平巻紙管には、紙の繊維の流れに沿って巻く「横巻」と、繊維に対して垂直に巻く「縦巻」があります。縦巻は、横巻と比べてしなやかさが減りますが、強度が出せるため、金属板を巻くために用いられます。ちなみに、横巻はしなやかさが出るので、反物を巻くのに用いられることが多いです。

厚さ20mm程度の縦巻の平巻紙管であれば、人が乗るぐらいでは凹むことはまずありません。


金属用紙管の内径のサイズ

製鉄所で作られた金属板は、金属板を巻き取る機械でロールにされます。その機械のマンドレルと言われる鉄芯に紙管を差し込みます。そこに圧延されて出てきた金属板を巻き取ります。所定の直径まで巻かれたら、マンドレルから取り外されて、クレーンで運び出されます。

紙管のサイズは、マンドレルのサイズに合わせた内径で製造されます。また、紙管の厚さは、金属の巻き締まりを考慮した厚さで設計します。

当社では、内径608mmまでの大口径の平巻紙管の製造を行っています。

平巻紙管の製造工程

平巻紙管の製造方法は、専用の機械に大きな原紙をセットします。機械には、製造される紙管の内径と同じサイズのマンドレルを取り付けます。

セットされる原紙は、繊維の向きを間違わないように注意します。先ほど述べたように、縦巻きでないと、平巻紙管に所定の強度が出せなくなるためです。

製造を開始すると、原紙が引っ張られ、糊付けされて、マンドレルに紙管が巻かれていき、設定された厚さになったら原紙を切断して、平巻紙管が出来上がります。

できたての平巻紙管は、一定の時間自然乾燥させ、指定の長さに切断されます。切断された紙管は、仕上がりの状態を一つずつチェックします。

その後、手作業で面取りを行い、金属用平巻紙管の完成です。

金属用紙管のことなら立山製紙にお任せください

立山製紙では、平巻紙管を内径40mm~600mm、厚さ3mm~30mmを1mm単位、長さ50mm~1,800mmまで1mm単位で製造しています。どのようなサイズの金属を巻くのに用いるのかをお教えください。

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